ロウヤガキ盆栽の育て方

ロウヤガキ盆栽の育て方や日常管理について解説しています。

■老鴉柿 姫柿 ロウシカキ カキノキ科/落葉低木
・原産:中国
・観賞期:5月(花) 10月(実)
・樹形:模様木、文人木、斜幹、懸崖、半懸崖、根連なり

ロウヤガキ盆栽の育て方/木の特徴

ロウヤガキは個体変異が大きな着です。同じロウヤガキでも実の形や色は丸いものから細くとがったもの赤に近い橙色から黄色までいろいろです。

雌雄異株なので開花時は雄木の花と交配させる必要があります。虫が飛来しないときは人工授粉をしてあげます。

実が一個ずついろづくので、一本の木に多彩な実がつくことになります。なお小さなカキでは日本原産のマメガキもありますが、ロウヤガキより葉や実が大きく盆栽としては実つきがよくないです。

ロウヤガキ盆栽の年間作業

状態 作業 追肥
1月
2月
3月
剪定
植え替え
4月 玉肥
5月 開花 芽摘
6月 玉肥
7月 液肥
8月 液肥
9月 玉肥
10月 剪定 玉肥
11月
12月

ロウヤガキ盆栽の日常管理

水やり

ロウヤガキは表土が乾いたらたっぷり水をあげます。いちばん注意したいのは夏場の水切れで、落果の原因にもなります。

また、梅雨時期は雨が続くようなら根腐れしないよう軒下などに移します。

冬の乾燥が続くときは用土だけでなく、木全体にかけるようにして湿度を高めましょう。

施肥

植え替えの元肥のあとの4月から玉肥を施します。夏は薄い液肥を水かわりに与えます。

玉肥は結実をして小指大になったのを確認してから、9月に入ってから月1回、春よりもやや多めの量を目安に施します。

元肥にはリン酸、カリ分の入ったものを使うか骨粉を使います。

ロウヤガキ盆栽の植え替えと用土

毎年か1年おきを目安に、春の彼岸ごろ基本用土で植え替えます。ここで植え付け角度を変えたりして切り戻すこともできます。

夏越し・冬越し

夏は遮光をして涼しい場所に置きます。秋に植え替えたものはムロに入れます。

病害虫について

カイガラムシやカメムシ類が発生します。冬に石灰硫黄合剤を散布して防除するか、葉がでそろった6月の曇った日に殺虫剤を散布します。

ロウヤガキ盆栽の育て方/作り方

ロウヤガキ盆栽の剪定方法

充実した新梢の葉腋に開花します。落葉後からあ樹姿を整える剪定を行い、新緑の前までに終わらせます。

流れに沿わない枝、曲のない枝などを切り詰めるのもこの時期なら大胆に行えます。

なお、室内で長く鑑賞していると感想や光線不足で落葉が早くなってしまいます。葉が落ちるとそれだけ養分がつくられないことになるので、屋外で管理してできるだけ葉を長くつけさせておきます。

結実がわかったところで、実のつかない徒長枝ははっきりするので切り詰めます。

針金かけ

6~7月、新梢は垂直に伸びるので針金をかけて曲付けしておきます。逆枝も針金で矯正すれば少ない枝も大切にいかせます。

枝がかたくなると針金がきかなくなるので、10㎝ぐらいに伸びたらどんどんかけていきます。

針金をかけたら伸ばしっぱなしにして、枝の元の方を太らせます。

交配

開花時の同じ雄木と雌木を用意し、近くに置いておきます。開花前に殺虫剤をまくと受粉しなくなるので気をつけます。

またベランダなどで虫がよってこないような場合や確実に受粉させたいときは雄花の花弁を取っておしべを出し、雌花にくっつけていきます。

結実を確認してからは、水やりと施肥を怠らないように落果を防ぎます。なお、交配が行われないと実は落ちます。

摘果

実つきが多すぎると、盆栽のような限られた養分で育つ木には負担が多すぎるので、自然落果が起こります。7~8月には自然落果も収まりますが、まだ多いときはたくさんの貧弱な実をつけさせるより、充実した個数を残すため、摘果をします。

また、年が明けて正月飾りを楽しんだら、できるだけ早く実を取って木を休眠状態にします。


繁殖

ロウヤガキは挿し木、根伏せ、実生ができます。枝がしゅっとのびやすく、曲のある素材をつくりたいなら植え替え時の根を切って根伏せするのがおすすめです。翌春にには芽吹くので、根上がりにしてもいいです。

果肉を取って種子をよく洗いビニール袋などに密封して冷蔵庫に保存して、翌春に暖かくなってきたらまきます。


ロウヤガキ盆栽の育て方まとめ

ロウヤガキの盆栽は植え替え時に切り落とした太根を利用して、根伏せをして曲をいかした木をつくることもできます。

ぼん太ぼん太

ロウヤガキは思わず口にしたくなるサイズの実だけど果実は食べられないよ