ヒメリンゴ盆栽の育て方・作り方

姫リンゴ盆栽の育て方や日常の管理、水やり、植え替え、選定方法を解説しています。

■姫林檎 和林檎 バラ科/落葉中高木
・原産:中国
・観賞期:4~5月(花) 10~11月(実)
・樹形:模様木 斜幹 半懸崖

ヒメリンゴ盆栽の育て方/木の特徴

春に薄いピンクの花が咲き、満開になると真っ白になります。

秋に名前の通り小さなかわいいリンゴの実がつきます。

一般的なリンゴに比べ味は落ちるので、果実酒、ジャムなどに使われます。

愛らしい実と花が盆栽でも人気の木です。

ヒメリンゴは自家不親和性なので、リンゴ以外の品種(カイドウ・ズミ)を一緒に置くか、人工授粉してあげます。

自家不親和性(じかふわごうせい)とは

自家受粉を避ける仕組み、多くの植物は花の中に雄しべと雌しべの両方ある両性花、同じ遺伝子どうしで受粉してしまうと多様な性質の子孫が生まれなくなってしまいます。

そのため他の個体の花粉が雌しべについたとき受粉が成立して種子ができます。



ヒメリンゴ盆栽の年間作業

状態 作業 追肥
1月
2月 剪定
3月 剪定
植替
4月 開花 玉肥
5月 開花 芽摘
6月 玉肥
7月 花芽分化 液肥
8月 花芽分化 液肥
9月 植替 玉肥
10月 結実 玉肥
11月 結実
12月

ヒメリンゴ盆栽の日常管理

水やり

土の表面が乾いてきたら水やりをします。

春~夏のつぼみができて結実するまでに、水を切らしてしまうと実なりが悪くなります。

花が咲いてる時期は、花に水をかけないようにします。



施肥

花が終わって6月ごろ実どまりを確認したら、真夏以外は10月まで月1回玉肥を施します。

施肥が早いと落実したり徒長枝をつくる原因になります。

ヒメリンゴ盆栽の植替と用土

ヒメリンゴの植え替えは、2年に1回3月に行います。

長い根を切り詰めて基本用土で植え替えます。

実がついてなかったり、実が落ちてもいいなら9月に植え替えてもいいです。

夏越し・冬越し

夏は強い日差しや西日を避けたいので、遮光して風通しの良い場所に置きます。

ぼん太ぼん太

落葉樹の陰なんかもおすすめです


冬は霜の当たらない戸外か軒下に置きます。

ミニ盆栽や小さめの鉢はムロに入れましょう。

病害虫について

アブラムシやカイガラムシなど見つけたら駆除します。

病害虫の防除に、冬の落葉期に石灰硫黄合剤を散布しておくのも効果ありです。

ヒメリンゴ盆栽の育て方/作り方

人工授粉

ヒメリンゴの花が咲いたら、できれば午前中にカイドウなど他品種の花を使って雌しべと雄しべを触れさせてやります。

ひとつの花でヒメリンゴの花何個かに受粉できます。

梵天を使ってもいいです。

ぼん太ぼん太

カイドウなど他品種を同じ時期に咲かせるようにするのがポイントです


受粉させてから緑色のままで子房が膨らんできたら成功です。

赤くなったものは受粉は失敗、しばらくするとするとポロリと取れます。

ヒメリンゴ盆栽の剪定方法

短枝が充実すると開花するので、花芽のつく短枝は切らないようにします。

休眠気に長い枝は、2~3芽残して剪定します。

どんどん伸びてしまう枝は、先端部分を摘んで勢いをおさえてあげます。

実が多くつきすぎたり、いつまでも付いていると木がつかれてしまうので果梗から切っておきます。

ぼん太ぼん太

果梗(かこう)は、個々の実を支えている柄のことです



針金かけ

6月ごろ徒長枝に針金をかけて、向きを下すようにします。

そうすると枝の付け根に短枝が出やすくなります。

果摘

人工授粉してあげると、実がたくさんつくことがあります。

一か所にたくさんついているところは間引くように取ってしまいます。

繁殖・増やし方

ヒメリンゴは接ぎ木が簡単にできます。

6~8月に花の咲かないズミを台僕として用意します。

ヒメリンゴの接ぎ穂は、切り接ぎや割り接ぎで行います。

接ぎ木テープでしっかり固定して、水コケを巻きポリ袋で密封して乾かないようにします。

取り木もできますが、発根が少なめなので慎重に行いたいです。

実生でとりまきしてでたのは、台木として使います。

実生苗はそのまま育てても、開花まで何年もかかるので実なりのある枝を接いで、うまくいけばすぐに開花して実を楽しむことができます。

接ぎ木は簡単ですが、挿し木はほとんど活着しないです。


ヒメリンゴのよくあるQ&A

姫リンゴの花が咲かないです。

盆栽仕立ての鉢で購入して何年も放置していました。

去年から手入れをしだして肥料を施しても、今年はつぼみもつかなかったです。

それと放置していなので背丈も大きくなっていて、一番太い幹を切っても大丈夫なのでしょうか?
何年もそのままなら、落葉している休眠期3月ごろに古い土を落として、根を切りつめて植え替えをしてあげてください。

選定もその時期に行えます。太い枝も剪定可能です。

花を咲かせるには日当たりも大事なので、日当たりの良い場所に置くようにしましょう。


ヒメリンゴ盆栽の育て方まとめ

ヒメリンゴは、春の花と秋の小さな実が魅力です。

実つきをよくするには人工授粉をするのが確実です。

そのために他の品種が必要になります。

はるきはるき

ヒメリンゴを育てるならカイドウも一緒にほしいね。