盆栽は限られた鉢の中で生長していくので、そのままでは養分が不足しがちになります。
それを補うためにも肥料は重要になってきます。
だからといって、やみくもに肥料を与えてもいいものではありません。
樹形を維持向上させることが大切な要素で、目的に応じた施肥が必要になってきます。
養成木は十分に施肥してあげる必要がありますが、ある程度、樹形がまとまり完成してきた木に肥料を与えすぎると、枝葉が伸びすぎたりして樹形を崩す原因にもなります。
その他、樹形や木の大小など施肥は目的に応じて行っていきます。
盆栽に必要な肥料の効果
盆栽の肥料には基本的には、チッ素、リン酸、カリの3種類が肥料の三要素です。
- チッ素 枝葉や根の成長を促進させます。
- リン酸 枝葉や根の成長促進や花つき、実つきをよくさせます。
- カリ 幹や根、花や実といった植物全体の育成に重要な肥料です。
松柏盆栽や葉物盆栽には、チッ素やカリが不足すると葉色が悪くなったりして枝葉が見苦しくなってしうので、それぞれ必要な養分です。
花もの盆栽や実物もの盆栽では、リン酸が不足すると花つきや実つきが悪くなってくるので、特にリン酸は必要な養分です。
盆栽の肥料としてよく使用されるのは、油カスと骨粉です。
油カスは肥料の三要素がバランスよく含まれています。
骨粉にはリン酸が多く含まれているので樹種によって、組み合わせて使います。
肥料には固形のものと液体のものがあります。
固形肥料は緩効性で持続性があり、液体肥料は速効性があるので、通常は固形肥料を使い、石つき盆栽や草もののような固形肥料が施しにくいものは液体肥料が適しています。
施肥の方法
盆栽の肥料は、樹種や目的に合わせて施しいきます。
効果を高めるために三要素を考えて選択していきますが、施肥にも時期や方法があります。
施肥の時期は、基本は4月~10月の養分を吸収する成長期に施し、休眠期の冬の間は施肥の必要はありません。
盆栽の鉢の大きさによって肥料の量は、鉢1号につき親指大1つ分ぐらいが目安になります。3号鉢なら親指大の玉肥3個ほどが目安と考えます。
与える量は月に1回与え、4~5月は普通の量、6月は少し多め、7~8月は少なめ、9月は多め、10月は少なめにあげます。
施肥で注意したいこと
盆栽の成長に必要な肥料ですが、注意したいこともあります。
最も注意したいこととして肥料の与えすぎです。
肥料が少ないと成長が悪くなりますが枯れることはありません。
しかし与え過ぎは、枯れる原因になることも、早く大きくしたい、幹を太くしたいからといって肥料を多くあげれば木の負担になってしまい、逆に弱らせてしまい場合によっては枯れてしまいます。
病害虫に冒され樹勢が弱っている木、植え替えをしたばかりの木も普段より少なめにしましょう。
植え替え後は根を切り詰めているので、特に作業したばかりも施肥は避けましょう。
少なくとも1か月は施肥を控えて、新芽が伸び出し新しい根が伸びだしてきてから施肥を行います。
そのほか、葉刈りや目刈りのような木に負担がかかる作業をしたあとも1週間から10日ぐらいは施肥をひかえるようにしましょう。